ドラッカー学習事業 第1回 経営者の条件 第1章・第2章
2006年04月28日
第1部 上田惇生先生講演
「THE EFFECTIVE EXECUTIVE」=成果をあげる人たち、できるやつの条件
=経営者の条件
キーワードは成果である。この成果に対して文明が進歩する。「物をつくるサービス」をするということについての成果は実現できている。もう一つ大切なことが「心の豊かさ」である。
世の中に貢献するということが成果をあげるときに達成できることであり成果をあげる方法は習得できる。それは、生まれつきの能力や学校の成績ではなくちょっとしたことを知っていれば良い。それは、5つある。(時間の使い方など)
経営とはなにか? 世のため人のためであり金もうけのためではない。金もうけのためと思った途端、従業員や世間がちゃんと見なくなる。「事業がおもしろい」から「お客様が喜んでくれる」から経営するのである。利益をあげるのは「明日もっと良い事業をしたいからである」
組織を通じて成果をあげることはまだ歴史が短い。経営=組織運営の仕事→どうやって組織を上手く運営するか→マネジメントである。どうしたら良い経営ができるか?どうしたら良い組織の運営ができるか?の2点からマネジメントはスタートしている。
「世のため、人のために理想を持って一歩一歩進んでいくことが大切である。その時、間違えやすいのが組織構造である。機能別組織、事業部制、チーム制などいろんな組織構造があるがどれにするかは事業によって違い一つの会社でも部門ごとに違っても良いとドラッカーは言っている。なぜなら大事なのは経営そのものだからである(構造は戦略に従う)。
組織において大事なことはできるだけ平らな組織にすることである。なぜなら役職が多くなると情報や指示が伝わっていくごとに正確さを失ってしまうから。
[組織が良い仕事をする→良いマネジメントがされている→世の中の役にたっている]
このように事業を見ている人、ちょっと上を見ている人は自然に成果をあげられる。それは普段次のことを考えて行動するかだけである。
「なにをもって憶えられたいか」
この言葉を、誕生日や除夜の鐘をききながら考えてほしい。今日寝る時に考えてほしい。すると、毎日の行動が変わり少しずつ上に向いて5年後、10年後は自分が変わり事業が変わるはずである。今日の話の中の一番の成果は「なにをもって憶えられたいか」を考えることである。
(無断転載禁止)
第2部:3グループによる討議
テーマ「経営者の条件」1章、2章
(グループ1)
上田先生の講演をきき感じたことをブロック会形式の自由討議でスタートした。
経営を間違った方向にしないためにもよきアドバイスを発することができる年輩のかたを従業員に持つことは必要である。ということから討議がはじまり「年齢に関係なくしっかりした考えを持つものが組織の中では必要であると感じる」「年齢も必要だが企業としての原理原則に反するものは見逃してはいけない」等の各社の現状況について意見がでた。それに対し、企業が伸びるためには組織化が必要であるという考えが課題であることがわかり「組織化」について討議された。「従業員を信じて任せること」ができれば組織として育っていくという意見や、「どうしても全てを任せられない」「任せるには、よきパートナーが必要」など意見がまとまらない中、上田先生より「組織化するよりチーム化が必要」という貴重な意見を伺う事ができた。ドラッカーのいうポストモダン的な考えが必要であることを知ることができ全てのものは陳腐化する。常に変革するものである。組織は組織図により各業務が縛られてしまう。常に変革にあわせることができる集団にするには一歩先を見ること(一歩先を考えること)今にあぐらをかいてはいけないという意識を持つことが必要ということを改めて意識することができた学びの場となった。
自社においてマネジメントが必要となる転換期だが経営者として現場から脱却するためにはどうしたらよいかという意見に対し、「優良顧客を狙えばどうか」「自分で無くてもできることはまかせれば」「部下が自発的な行動をおこすようになることができるようコミュニケーションをとることも大事では無いか」等の意見がでた。
(グループ2)
上田先生からも経営者として考え方として以下のような話を頂いた。
①使命は何か
②顧客は誰か
③顧客にとっての価値
④③につながる我社の成果
⑤具体的に何をやるか
変革を目指すには、終身雇用のように従業員が不利益にならない仕組みが必要であるとのアドバイスも頂いた。
またタイムマネジメントの重要性について意見交換を行ったが、知識はあるが実際に自分ができているかといわれると出来ていない。
成すべきを成す!!習慣の大切さを再認識した。後は実践あるのみ。
(グループ3)
1部で上田先生よりお話があった、「組織は平らで透明がよい」というお話が、話題になり、透明とは何か?について先生を呼んで、議論が行われた。
結論として、組織の透明性とは、社員一人ひとりが立場と役割を組織の中で理解し行動できることにまとまった。