ドラッカー学習事業 第4回 経営者の条件 第7章・終章
2006年07月15日
第一部:ものつくり大学名誉教授 上田惇生先生による講演
マネージメントとは実践である。
ゆえにこの本は読むものではなく使うものであり一流になる為(成果を上げる)の万人の帝王学である。昔は優秀な社長がいれば会社(組織)としてうまく行ったが、現在は部下も社長と同じように考えて動かなければならない、すなわち一流になることが必要である。一流になることで自己実現(生きがい)を得られることが出来るのである。この本には一流になるための時間の使い方と意思決定の仕方が書かれている。
一流とはずるい人である。言い換えると自分の得意なこと(分野)しかやらない。
その為にはまず自分の得意なことを知ること。得意なことを知るには記録をする事が重要である。一年後にその記録から成果を確認すれば自分の得意なことがわかる。
もう一つは他人に聞く事、得意先や家族に自分の得意なことを聞くことが重要である。
次に、人それぞれ得意な方法や、やり方があるのでその得意な方法を知ること。また、自分にとって大事なことを知ることが自分の居場所を知ることであり、失敗をしないコツである。
そして、最後に成果、結果を出すコツを覚えることである。これは必ず習得が出来る物であって、身に着けておけば必ず一流になれる。
「経営者の条件」の名言
- 自らをマネージメントする
- 自らをマネージメント出来ない者は人をマネージメントすることは出来ない。
- 成果をあげることを習慣にする
- 成果をあげることは習得できる。そして習得しなければいけない。
- 成果は自己実現の前提である
- 成果を上げれば自己実現(生きがい)が出来る。
- 時間の点検を定型化する
- エグゼクティブとは他人に時間を取られやすいものであるから時間が何に使われているかを記録し点検をすること。
- 強みによる貢献
- 強みを生かすことによって個人の目的と組織のニーズを結びつけ個人の自己実現と組織の機会を結びつける。
- まず成果をあげるための能力
- 成果をあげるための能力を向上させておかなければ知識や技能があっても何の役にも立たない。
- 自己開発と組織の文化
- 良い組織とは優秀な人材が居るからではなく優秀な人材が育つ環境にある。個人と組織のニーズを調和させることが大事であり、それは一流(プロフェッショナル)にしか出来ないことである。
第二部:テーマ「経営者の条件」7章、終章
2グループによる討議
(グループ1)
<第7章>
- 意思決定をするうえであいまいではいけない。
- 意思決定において反対意見を聞くことが大事。
-
久保田
- 行動
- 「経営者は孤独である。」という言葉が印象的でまた組織をまとめるうえで非常に難しい事だと思う。
- 上田先生からのアドバイス
- 特定の社員と親しくしてはいけない。
-
山口
- 行動
- 会議の内容を生産性の事ではなく、日常に皆が取り組める内容のはなしからスタートしてみた。
- 結果
- 普段は決まった人間しか発言しなかったが皆の共通の話題から入ることで誰でも参加できる会議になったので今後も取り組んでいきたい。
-
河野
- 行動
- 第4章の強みによる人事から各社員の強みにたいして仕事を与えるようにした。
- 結果
- 無理に生産性の上がらない仕事を与えていた部分を変えることで徐々に結果が会社全体の生産性が上がってきた。
-
古橋
- 行動
- ビジョンの設定が大事
- 上田先生からのアドバイス
- 顧客第一主義。ビジョンから外れたお客を無碍に扱ってしまうことがあるがそれが本当のお客様かもしれない。
(グループ2)
前半は事前に提出して頂いたアンケート資料の「第7章を読んで意思決定をする際に必要、大事だと感じた事」を討議した。
後半は終章(本全部)を読んで各自が実際にどんな行動や結果が出ているのかを報告し上田先生からの感想やアドバイスを頂いた。主な内容は下記の通り。
<第7章>
- 意見の対立を活用する(反対意見を利用する)
- 意思決定をする上での責任の明確化をする
- 意思決定において組織の全員が同じ基準を持つこと。
<終章>
-
小林
- 行動
-
- P18にある「組織の内部に生ずるものは、努力とコストだけである」に触発されて現状の仕事(社内での機械加工)を引き継ぎしながら外へ出る時間を作っている。
- 自社の強みを客先で聞いてみた。
- 結果
-
- 社内ではわからなかった外部の意見を聞けた。
- 客先で単価が高いと認識されているが短納期の対応が評価されている。短納期の対応はエンドユーザーからも高い評価がありリピートや新たな受注に繋がっている。
- 上田先生からのアドバイス
- 強みを聞く事は貴重である。良い事からだけ学ぶことも大事なことである。
-
古川
- 行動
- 社内でドラッカー学習事業を始めた。
- 結果
- まだ結果や成果の出る段階ではないが社員の意識向上に役立っている。「経営者の条件」を基準にすることで意思の疎通がしやすい。
-
鈴木
- 行動
- 第4章「強みを生かせ」を参考にして社員の強み(良い所)を見るよう心がけている。
- 上田先生からのアドバイス
- 良い事だけを書く手帳を持つと良い。
-
吉田
- 行動
- 第2章「汝の時間を知れ」を参考にして集中した時間を作るようにしている。
- 上田先生からのアドバイス
- 最大の貢献をする為の時間を作ること。
【監事講評】吉田 英訓監事
今日で七章と終章を終え経営者の条件が終わりましたが、復習も大事なことですから改めて自分で復習することで自社に持ち帰り役立てて貰いたいと思います。ドラッカー学習事業も中盤になり中だるみはしていませんが、今日は人数が少ないので今後は各自に時間の調整をして頂いて参加者を減らさずにより良いものを作って行ってください。
【主幹責任者所感】河野 崇
今回で「経営者の条件」が終了致しました。これまでに行動に移してきた内容、また結果などを聞くと各々成果として少しずつではありますがでているのではないかと思います。
今一度振り返り今後も継続して実行に移していただければと思います。
次回から「創造する経営者」になります。今までとまた違った内容になっていますので改めて実行委員一同気持ちを新たに取り組んでいきたいと思っております。